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「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「どこまでやったか > やったかやってないか」

2021年5月6日

■ビジネスは結果で決まる
新型コロナウイルスの発生から早くも一年半ほど経過しました、この間ビジネスの世界では、飲食店、イベント会場、航空会社、鉄道会社、旅行会社等々は、コロナショックによる業績が悪化している業種があることは周知の事実です。さらにこれら代表業種の取引先にも影響は及んでいます。政府の対症療法により、倒産件数や失業者数は予想よりも少ないとの報道もありますが、直近では求人倍率の低下が顕著になるなど、将来不安に苛まれている状況は続いています。ビジネス界ではやったかやってないかではなくどこまでやったかで決まるのです。つまり、原因に関係なくビジネスは結果で決まるわけですが、政治の世界はどうなのでしょうか。

■コロナループ
現在、三度目の緊急事態宣言の渦中ですが、この一年半の間、新規完成者数が増えたら緊急事態宣言を発令、減ったら停止するということが繰り返されるコロナループに陥っています。昨年から、外出や移動を控え、外食も自粛するなど、人々の協力により、我が国では多くの他国に比べると、人口比では死亡者数や感染者数は桁違いに低いと言われる状態となっています。にもかかわらず、緊急事態宣言下にあるのはどういうことなのでしょうか。しかも三度目の今、飲食店は実質的に酒の提供禁止まで課されるという非常事態です。知事たちは相変わらず連日テレビに出て「病床増やすよう交渉してます」とか「外出を控えてください」と同じことを言い続けているのです。

■やってる感アピール
これは「私は〇〇やっています、△△も取り組んでいます!」と会議で発表しているけれども、いつまでたっても大した成果も出せない管理職と同じですね。高い給料をもらっていることと釣り合っていません。このような場合、ビジネス世界では、リストラの対象となります。世間ではリストラが流行しており、世の中の変化や自らの年齢やポジションに求められることを自覚できないまま、自分は正しいと主張している人たちはこの対象になるのですが、政治の世界では関係ないようです。むしろポピュリズムの世界があり、逆に支持者が増えるという怪現象さえあるようです。いずれにせよ、結果を出さなくても給料が削られない世界はお気楽な既得権益なのです。

■本当の原因とは
コロナループが起こっている本当の原因は何でしょうか。マスクしない人、飲みに行く人、飲食店、外出する人なのか、政治家なのか、医療関係者なのか、マスコミなのか、私たちは新規感染者数が一番大事な指標だと感じさせるようなニュースを見ていることから、感染防止に協力しない店や客に焦点が行き、本当の原因を見誤っているのではないでしょうか。さすがに同じことでこれだけ長引いてくると、最も重要な数値は医療体制のひっ迫度だと気づいてきました。コントロールすべき対象は、新規感染者数ではなく、コロナ病床数だったのです。大阪は三月末に病床数と看護師数を減らしたらしいです。その直後に感染者数が激増して瞬く間に医療崩壊となったのです。

■鉄のトライアングル
政官財のトライアングルという言葉は最近聞きませんが、今回の医療体制不備の問題も同じです。どうやら、厚生族、厚労省特に医系技官、医師会の抵抗が強烈なようです。ビジネスの世界に置き換えると、逆パワハラみたいなものです。そんな難しくてややこしい仕事を言いつけるなら辞めますよみたいな感じです。これは政府の解説にも載っていることなので、皮肉な感じです。いずれにせよ、鉄のトライアングルは既得権益そのものですし、平時ならともかく、先進国中で最悪の経済状況にある有事の中で、既得権を手放さない意思の硬さに驚くばかりです。皺寄せを受けるのはいつの時代も弱者です。いい加減にして欲しいと思います。

■既得権益を打破しない政治家
首相は携帯電話の値段を下げました。しかも法案も作らず、口で言っただけで実現しました。多くの利用者は喜んだはずです。これと同じように、医師会にも言って欲しいと思います。ベッド数では数パーセント、医師数で数十パーセントしかコロナ関連に関係していません。にもかかわらず、時短や休業に協力しない飲食店だけを悪者にしてだんまりをきめこんでいる医者は注意も何も受けないというのは有事に際しては明らかにアンバランスです。既得権益に切り込むと威勢の良かった大阪も頼りないですね。明石市長のコメントは的を得ています。有事の時ほどリーダーシップを発揮すべき政治家は前の既得権者から奪った既得権を守るのに必死のようです。

■非常時のリーダーシップ
政治家は国民の財産と生命を守り抜くことが仕事です。コロナのような非常事態のなかで、やってますアピールをしてもらうのも、最初のうちは許されますが、これだけ時間が経過するとさすがにだめでしょう。国民の多くはええ加減にせえと感じているはずです。ここで思い出すのは田中角栄です。真の改革者は敵も多いもので、晩年は失脚させられましたが、有名な逸話として「山一特融」があります。当時若手の蔵相だった田中氏は、いやがる年上の大手銀行頭取に対して、「キミッ、それでも銀行の頭取か!」と一喝して実行させたというものです。もちろん時代も事案も違いますが、政治家の本気度さえあれば、事は通じるということです。