「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「ウィル(意識) > スキル(技術)」

2020年11月1日

■コロナは加速させただけ
アンダーコロナの現在、経済は最大の落込みが進んでいる最中であり、エコノミストの予測でも最短でも回復は2~3年はかかるとされ、赤字リストラはこれから本格的になるものと予想されていますが、絶対達成コンサルタント横山信弘さんは今年一月のメルマガで、コロナ前から進んでいた大企業の黒字リストラに関して、その背景や対象など要因を考察されていました。「重宝されるのはスキル(技能)よりウィル(意識)なのだ。つまり意識が足りない人、主体性に欠ける人は、若くてもリストラ対象になっていくだろう。」この横山さんの見立ては、これからのトレンドの中では普遍的なものであり、コロナで加速されていくことになると思います。

■デジタル革命
2015年12月野村総研などが「10~20年後には仕事の49%が、AIに置換される」との衝撃的なレポートを発表しました。コロナが発生した今年、実質的に外出できなくなったビジネスマンはテレワークが進展しましたが、事前に準備していた企業やテレワーク不可能な企業はともかく、突然対応を迫られた企業も多く見られました。国の補助金でも申請はウェブでできても、受付ける自治体職員はプリントして対応していることが笑い話になりましたが、このようなことは自治体のみならず企業でも良くあることです。反省した政府はデジタル庁を作ることを決め、国と地方間の互換性を高めるため統一することを決めました。当然、企業も倣うことは必然となるでしょう。

■同一労働同一賃金
企業内の仕事がデジタル対応となることとともに、正社員とパートや有期労働者との格差是正を目指した同一労働同一賃金が企業に義務付けられました。この動きが黒字リストラを進める要因の一つになっていることは間違いありません。法改正に伴い、先月は最高裁や高裁の判決が相次いで出ました。内容はケースバイケースですが、パート・有期と正社員を比べ、(1)職務の内容・仕事の責任度合い、(2)人事異動や転勤等人材活用の仕組み、(3)その他の事情が全く同じであれば、均等待遇となり、差があれば均衡待遇をしなければならなくなりました。この改正により、企業では正社員というだけで優遇されることはなくなるだろうと予測されています。

■「70歳雇用」努力義務化
また、令和3年4月1日から「70歳雇用」が企業の努力義務となります。「人生100年時代」といわれる中、高齢者が働けば、人手不足を補い、社会保障制度の担い手を増やしたい国と、長くなる老後の活動時間や収入機会の確保となる労働者の利害は一致するものの、雇用主となる企業には頭の痛い問題でもあります。この流れは、コロナ前から決まっていたことですので、大企業がデジタル革命、同一労働同一賃金とともに黒字リストラを促進する動機になっています。コロナショックによる長期の落込みが明らかな状況のなか、高齢者を雇用するという意欲は高まるとは思えず、雇用される人と雇用されない人と選別され、紛争も増えるのかもしれません。

■コロナリストラ
メガバンクはもとより、低金利で苦しんでいる多くの地方銀行、需要が消失してしまった航空会社や鉄道会社等々が相次いでリストラ策を打ち出しています。表面化しない中堅・中小企業も含めれば、何らかのリストラをする企業の方が多数派になることは間違いありません。リストラと言っても多様なプランが現れています。メガバンクは週休三日、四日で副業OKという新しいスキームを発表しました。片や副業で優秀な他社現役社員を雇用しようとする企業も出ています。正社員という既得権益が崩れてきたとともに、生涯一社という終身雇用もほぼ終わってきました。前からそうなると言われていたことですが、コロナで未来が早まっていることは間違いありません。

■エンプロイアビリティ
昭和末期・平成初期に社会人となった小職は、最近起こっていることは、後年の歴史で記されるような大変革期ではないかと感じるようになりました。「人生100年時代」となると、学校出て直ちに入社した会社に定年まで勤めあげ、十年ほどの老後を過ごして終わる人生というわけにはいきません。これからは70歳まで複数社に勤務して老後を迎え、三十年もある老後を過ごすことになる計算ですが、まったく実感が湧きません。やることもない状態で過ごしていくことは苦痛なような気もします。そう考えると、今の会社かどうかは別として、何らかの仕事を続けられるように、どっかで雇ってもらえるためにスキルというか得意技を磨くことは必須になります。

■ウイルが大事
長生きするには、スキルを持つことは必要不可欠ですが、もっと根源的に必要なのは意欲であり、何のために仕事するのかという意識です。横山さんがおっしゃるとおりですが、これって老後にやり始めるものではないですね。老後のことを老後になってから考えても遅いです。なぜなら、若い時ならいざ知らず、年をとってから新しいことやものを身に着けるのは苦痛であり、例外的な人を除けば、体力や気力面で不可能でしょう。ということは、若い時から取り組まないと無理に近いという結論になります。責任と義務を消し去り、自由や権利だけいいとこ取りできると錯覚していると年齢に関係なくリストラ対象となることは確実です。正しいウイルが大事なのです。