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「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

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「出会う 〉探す」

2022年3月1日

■人生百年時代
近年人生100年時代というフレーズを耳にするようになりました。厚生労働省の資料によると、日本人の平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳で、ほぼ毎年この年齢は高くなってきています。食料事情の改善や科学技術、医療技術等の発展により、これからもますます寿命は伸びると見込まれており、100歳前後まで延びるのではないかと予測されています。人生100年時代とは、『LIFE SHIFT』の著者グラットン教授が提言した言葉とのこと、寿命が伸びていく中で我々がライフコースの見直しを迫られるという内容を示したものと言われています。長生きすることは良いことなのですが、良いことばかりとはいえない側面もあるようです。今回はこのテーマについて職業生活を中心に考えてみたいと思います。

■時間つぶし
臨床心理学の大家、河合隼雄先生は生前、寿命が延びるということの弊害として、何をして過ごすかがわからなくなる人が多いと言われていました。先生の言葉を借りれば、昔は五十歳代で定年となり、定年後5年から10年で亡くなる人が多かったため、人生は「ひと山」であった。しかし、定年は変わらないのに、寿命が伸びていくと、定年から亡くなるまでの期間が長くなり、人生は「ふた山」以上になってきたのです。時間をどう使うかということを考えておくことが極めて重要になりつつあるとのご指摘でした。その後、さらに平均の寿命は延び続け、今後100歳まで生きる人が増えていくとその傾向はますます強くなるように思います。「ふた山」以上の人生を過ごすには、老後までに色々と考えておく必要がありそうです。

■仕事長期化
平均寿命が伸びる一方で、健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳となっています。今年、七十歳雇用が法制化されましたが、少子化も進んでいるので、企業は労働力確保のために高齢者を雇用する必要に迫られるでしょうし、職業が七十歳まであるということは働く側にとってもメリットが大きくなります。働けるうちは働くのが最大の時間つぶしにもなります。このように労使の思惑は一致しているのですが、この場面でも出てくるのが、総論賛成・各論反対というものです。もう何十年も前から高齢者雇用は求められているものの、雇用のミスマッチは解消されたとは言い難く、自分の求める形の職業に就けている人は、意外にも少ないのかもしれません。これから深刻化するテーマとなることでしょう。

■転職時代
七十歳までの雇用が浸透してくれば、当然かもしれませんが「生涯一社」で過ごす人は減ってくると予測されます。一人の人が生涯複数の会社に勤めるということになるでしょう。副業なども増えて来れば、さらにその傾向は強まってくることになります。もちろん「生涯一社」で過ごす人も一定数はいらっしゃるでしょうから、全ての人がそうなるわけではありませんが、その確率は高まってくるでしょう。雇用に関しては、常にミスマッチは発生するのですが、雇う側も雇われる側もこの辺りの変化を自分ごととして考えていかざるを得なくなるでしょう。転職することが増えてくると、特定の企業でしか通用しない人より、多くの会社で活躍できる汎用的なスキルや志向を持った人の方が求められるのは明らかなので、働く側も対応が必要です。

■リスキリング
働く期間が長くなると、求められるスキルもひとつで済むということはなくなります。職業生活が50年を超えるとさすがに技術革新や環境の変化にさらされるので、ひとつのスキルで長期間を過ごすことはほぼ不可能になるでしょう。そうなると、就職してから何も勉強しないでも通用した時代はかなり高い確率で終わります。リカレント教育やリスキリングという言葉がそれを象徴しています。同じ会社にいたとしても同じことです。環境に合わせて変化に対応できる能力やスキルが企業から求められる傾向は強まってきます。しかし、能力やスキルが絶対的ではありません。あくまで転職や配置転換はその時々の受給バランスで決まるからです。今はデジタルが旬ですが、先はどうなるか分かりませんので、環境変化を見極めることも必要です。

■自分探し
何やかんや言っても、需要と供給で決まるのが雇用です。表面的な条件に振り回され、現職での不満を解消するだけのために転職に踏み切り、希望する会社や職種に就けず、不本位な形で転職を余儀なくされ、その後もループに陥る方の事例も見聞きします。昔CMであった「転職は慎重に」ということは今も変わりません。一方で、転職マーケットが広がるにつれ、転職サービスに煽られ、過度に転職を意識し過ぎるのも弊害です。転職することが目的化するのも違うように思います。自己分析や自分探しもいいですが、他人のことは分かっても、自分のことを分からないのが人間です。考えても考えても分からない場合は、とりあえず今に集中することも大切だと感じます。

■出会うことが大切
職の選択において常に自分の思った通りになることはありません。またいくら資格を取ったり勉強しても約束されることもありませんし、マッチングサイトに登録すれば大丈夫ということもありません。様々な情報収集や努力はしなければならないと思いますが、一番大切ではないかと思うのは、今与えられている任務や仕事において最大限の努力をすることではないでしょうか。ある方が言っていたのですが、「理想的な仕事や職場は自分で決めて探すものではなく、今与えられている仕事を一生懸命取り組み、深めることによって出会うものである」ということです。この言葉に強く同意するとともに、年齢がいくつであろうとも、これからも職との出会いを求め続けて行こうとの思いを新たに致しました。