「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「自然 > 不自然」

2017年3月1日

■星の王子さま
取引先のある方が、上司に読んでおくべき一冊として薦められたのが『星の王子さま』であったと伺い、早速読みました。フランスのサン・テグジュペリの小説で、世界中で読まれている超ロングベストセラーです。王子さまらの行動や言動にちりばめられた大切なメッセージのひとつは、「物事は、偏見、先入観、固定観念を捨てて、意識を白紙状態にして見なければならない」です。そうしなければ、物事の本当の姿を見ることはできないからです。「言うは易く、行なうは難し」ですが、偏見、先入観、固定観念などは不自然であり、これらを取り去り、自分のこころを障りのない自然な状態に置くことから始めなければならないという教訓なのだと思います。

■“雨が降ったら”と“傘をさす”
松下幸之助さんの”素直”も同じように、自然に振舞うことの重要性を伝えられているのだと思います。経営の秘訣について質問されたとき、「雨が降ったら、あなたならどうするか」と逆に質問し、当然「傘をさす」と答えたそうです。このごく当たり前の行動こそ自然なことであって、そこに発展の秘訣や経営のコツがあるというとても明瞭な考え方なのです。具体的には、商品は適正な利益が得られる価格で販売する、売ったものの代金はきちんと集金する、売れないときにはムリをせずに一休みする。このように当たり前のことを着実に実践して積み重ねることが経営の極意といえるのでしょう。このように「(無理なく、力まず、自然に)△△すれば、○○になる」という事例を探してみました。

■“座禅”と“得られる何か”
曹洞宗国際センター所長の藤田一照さんは、座禅会の最初に身体をほぐす体操をするなどユニークな指導をなさっています。藤田さんの坐禅は、身体動作に始まり、感覚、感情、思考、イメージなど普通の意識では見えにくいこころのあり方を観察することにより、「自分という意識が自然を、なるべく深く・広く・生々しく・刻々に・好奇心を持って、(自然が)のびのびと・心も体もいきいきと働いているあり方を味わっている状態」を体感することで、辛いことに耐えたから得られるとか、欲を出して手に入れるのではなく、「出している手を引っ込めた時に得られる世界」があることに気づくことを目指します。自然=無になることで得られる境地があるのだと思いました。

■“ルーティーン”と“ゴール”
次は、スポーツの世界から。ラグビー日本代表のメンタルコーチであった荒木香織さんは、「五郎丸ポーズ」で話題となったプレ・パフォーマンス・ルーティーンは、あくまでも決めた動作を遂行することができたかどうかを評価しながら完成を目指すものだと言われています。プレ・パフォーマンス・ルーティーンに集中できるようにトレーニングするのであり、キックに集中できることは目指さず、さらに、最後にキックが成功したか否かといった結果と照らし合わせることもしないそうです。これもいきなり、直接的に結果をもとめることを不自然とし、結果に至るプロセスへの集中を目的とするという自然の追求のように感じます。

■“稟議”と“決裁”
会社の中でのこと。むかし、営業マンをしていた若かりし頃、新しいお客様や新しい取り組みをする場合、上司や本社に決裁をいただく必要があるわけですが、書面にしなければなりません。それを起こす際、「この案件は通るなかぁ」とか「通らないかもしれないなぁ」などと余計なことを考えてしまうものです。そんなことをぼやいていたときに、「決めるのは決裁者。担当者は四の五の考えず、稟議を書くだけでいいんだ」と言われ、ハッと気づかされました。どうにもならないことをグダグダ考えることは不自然極まりないことで、今の自分にできることを精一杯やるという、ごくごく自然なことをやるだけでいいのです。意外と難しいですけど。

■“人材育成”と“企業の存続”
今月、職場の皆さんと見た『プロフェショナル仕事の流儀』は、アイリスオーヤマの大山社長でした。躍進の理由は、社長の「最後は人です」との言葉もあったように、”人材育成”に本質があるようにお見受けしました。それは毎週開催される新商品開発会議に象徴されます。一見トップダウンだと錯覚する光景ですが、これこそボトムアップの極みだと感じました。経営者は自社の存続を希望するものですが、企業の寿命は意外と短く、設立10年後の存命率は6.3%しかないとの統計があります。同社の企業理念第一条は「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること」です。この目的を達成し続けるには、人材を育成し、組織を活性化することを自然の道理として追求すべきなのだと強く認識しました。