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「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

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「顧客 〉作業」

2022年7月1日

■デジタル民主化
国は昨年デジタル庁を発足させました。結果としてコロナが加速したデジタル化を、将来に向けて国を挙げて推進することを目指したものであることは明らかです。同時に、デジタルの民主化と言いますか、大衆化のスタートにも当たるものと感じております。と言いますのも、権威、権力、権限、権利などは下に向かうからです。特定の一部の人のものであったことやものが、時代とともに多くの人々のものになっていくのは世の常なのです。そのきっかけは、道具の進化によることも多いのです。古くは土器や陶器から始まり、近代では産業革命によって生産性が飛躍的に高まり、多くの人々が享受できるようになり、段々と民主化・大衆化が進みました。いま話題のデジタルも同じ流れの中にあるのではないでしょうか。

■作業を減らして支援を増やす
もはやスマホを手離せないなど、身近にあるデジタル化ですが、何でもかんでもデジタル化すればいいのではありません。何のためにやるのかという目的をハッキリさせておく必要があります。この意味は、迷ったら立ち返る場所ということです。立ち返ることができずに本末転倒することも多々あるので意識することが必要です。先日、介護施設におけるデジタル化のセミナーを見る機会がありました。その中で紹介されていたことが印象に残りましたので少し紹介させていただきます。その介護施設では、お役所との関係があるサービスという特性上、事務処理の量が膨大であるということでした。まずはそれらの事務処理にかかる時間を減らし、顧客への支援サービスの時間を増やすという目的を明確にしました。

■(1)できる×やりたい
目的を定めたあと、業務の分解をしました。できる・できない、やりたい・やりたくないのマトリクスを作り、最大の目的とする本業、つまりコア業務に限られた時間をいかに多く配分するかを検討します。平たく言いますと、サービスを良くして売上を増やすにはどうすべきかです。ここで陥ってしまいがちなのは、人が足らないとか人を増やそうと言ってしまうことです。当然、シチュエーションによって変わりますが、残念ながらほとんどの場合、これは良くありません。王道は次の(2)の時間を減らすこととセットで取り組むのがいいと思います。単に人を増やすだけでは自ずから(2)も増えてしまうからです。また安易な対策は将来に禍根を残す弊害もあります。まずはこの(1)を明確に定義することから始まると思います。

■(2)できる×やりたくない(本当はやりたい?)
(1)の実現に向け、真っ先に取り組むべきなのが(2)です。作業はできることです。できないことではありません。これが曲者なのです。できるからやってしまうのです。またマイペースでやれることなので、顧客への支援サービスほどは気を使うこともありません。口ではやりたくないと言いながら、本当はやりたいんじゃないかと思うくらいやってしまいます。よって、その作業が存在する限り、自然になくなることはありません。そもそも、逃げ込める作業がある状態が一番の問題ともいえるでしょう。作業系の仕事はデジタル化との親和性が高く、デジタル化によって見える化、共有化され、特定個人への依存度が下がります。さらにアウトソーシングの進展も予想されており、まさにこれから大きな変化が予測される象限だといえます。

■(3)できない×やりたくない
この象限は、事業とは関係ないことや必要性のないことであれば、ほぼ問題になることはありません。しかし本来は必要であるにもかかわらず、気付いていないとすれば、それは問題です。デジタル化との関係でいえば、デジタル化を支えるサーバーやネットワーク、セキュリティといった分野があるかもしれません。また社内外で起こりえる様々なトラブルや紛争、自然災害への予防や対策等々、考えてみると結構たくさんありそうです。これらは経営上、必要不可欠であることも多いため、コア業務に位置づけたうえで、それぞれの分野での専門家との連携をするのが良いように思います。もちろん企業の規模や業種、業務内容などによって必要な対策は変わりますが、それぞれに応じた適切な対処が求められます。

■(4)できない×やりたい
できないのにやりたいというのは、チャレンジです。(1)の未来版だと考えれば、時間を増やしたい象限です。こちらを増やすには(2)の削減とセットで取り組む必要があります。気をつけるべきは、チャレンジと似て非なるものに無謀の存在です。やってみないと分からないというのは最もなのですが、やらなくても分かることをやる前に分かることも大切なスキルです。このスキルを高めるには、他者事例と過去事例の分析と洞察が必要ですので、一定の時間を要します。だからほとんどやりません。できないことを拡大解釈し、できる気になってしまうのは若気の至りです。判断を誤るのは、慎重さとチャレンジを対にするからです。チャレンジとは慎重さとセットで考えるべきものです。これからもいっぱい”チャレンジ”したいと思います。

■デジタルトランスフォーメーション【DX】
DXとは、デジタル技術を使った大改革のことです。繰り返しになりますが、DXの目的確立が最重要です。ここが第一関門です。それは顧客サービスの拡充であり、その結果として豊かになることです。これを実現するためには、顧客サービスのバックオフィス部分の作業を減らすことが必要です。ここまでは明快ですが、ボトルネックがあちこちで出現します。この第二関門を越えなければ、先には進めません。次の段階は”チャレンジ”です。老後のことを老後になってから考えていては遅いのと同じように、常に未来への投資が求められますが、やってはいけないチャレンジを避けるという第三関門も通過しなければなりません。このように、DX成功への道程は長くて険しいですが、小さくても第一歩を踏み出すべきテーマだと思います。