fbpx

「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「笑うから楽しい > 楽しいから笑う」

2020年1月6日

■令和2年/2020年は庚子(かのえね)
皆様、あけましておめでとうございます。昨年はお世話になりまして誠にありがとうございました。今年もよろしくお願い申し上げます。さて、2020年の干支は庚子(かのえね)です。「庚」はもともと「更」で変える、変わる、改める、更に、その上、深まる…のような意味があります。「子」は動物で言えば「ねずみ」。子には「増える」という意味があります。併せて「継続と更新、万事繁栄する年」と読み解けるのだそうです。2020年の日本では半世紀振りに東京でオリンピックが開催されるなど楽しみなニュースもありますが、中でも一番大切なのは、このような年に、自分自身はどう考え、どう行動するかということです。そこで正月休みに自分なりに色々と考えてみました。

■人生、笑うが勝ち
いつもながら、新年を迎えるにあたり、今年こそ「〇〇のような年にしたい」と思うものの、年末が近づく頃には、できなかった反省と次の年こそやろうと誓うことを繰り返しているような気がします。また、自分の在り方としては、いつも明るく笑顔でいたいと思うのですが、上手くいかないことが多くなるとニコニコできないのが実際のところです。毎月送られてくる月刊PHP誌など読みますと、「人生、笑うが勝ち!」とか特集があり、有名人の多彩なエピソードが満載です。各界で長く活躍されている方々は笑顔がいい人生をつくることを知っているようです。皆さんとても前向きに生きておられるなぁと感心するとともに、自分もそうありたいと強く思います。

■笑う門には福来る
一例として、作家の小手鞠さん(掲載時62歳)の場合、「ふと気がついたら、私このごろ、ほとんど泣いてないなぁと思う。毎日、にこにこ笑ってばかりいる。そう、私ってまさに、毎日が楽しい人。」と自己観察。羨ましいなぁとかホンマかいなとも思いましたが、理由の一つは、苦労し過ぎて「私の涙の壺の中の涙は50代までですっかり涸れ果ててしまったのではないだろうか。私の体にはもう、涙は一滴も残っていない」ことのようです。また、中村天風さんも、「悲しいことや辛いことがあったら、いつにもまして、笑ってごらん。悲しいこと、辛いことのほうから逃げていくから」「昔から言うでしょう、「笑う門には福来る」ってね、と言って励まして下さっています。

■楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ
「笑うが勝ち」にしろ「笑う門には福来る」にしろ、よく聞くことわざですが、何となく当たっているように思うか、そんな根拠のないもの信じられるかと思っているか、幸福だから笑顔になれるのではないかと反論するかもしれません。多くの人々がそのように思っていた19世紀後半、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズは疑問を持ち研究を行った結果、「人は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ。」と感情は行動によって生み出されるのだとの仮説を立てました。しかし、当時の一般的な考え方は「感情が行動を促す」ものであり、「そんな説はあり得ないだろう」、「科学的根拠がないじゃないか」というように、この仮説は受け入れられませんでした。

■アズイフの法則
イギリスの心理学者のリチャード・ワイズマンはウィリアム・ジェームズの「感情は行動によって生み出される」という仮説を「As if(アズイフ)の法則」と呼び、「〇〇のように振る舞えば、〇〇になれる」(例として、「幸せになるには、笑えばいい」)という考え方を提唱しました。膨大なデータの分析による科学的なアプローチを試みた結果、感情が行動を促すのではなく、感情は行動によって生み出されること、つまり、「楽しいから笑う」のではなく、「笑うから楽しくなる」ということを科学的に裏付けたのです。「努力して幸せになることを考えるより、いま幸せであるかのように行動すればいい。」その方がはるかに効果的で、しかも幸せに早くたどり着けるのです。

■脳には妙なクセがある
池谷裕二さんの本を参照すると、「笑顔という表情の出力を通じて、その行動結果に見合った心理状態を脳が生み出す」から楽しくなるとのことです。なぜなら、何かを食べて「苦み」を感じたときの顔の筋肉の動きを、脳は「嫌悪感」という感情に結びつけたり、物理的な「痛み」を感じたときの身体の反応を、心理的な「痛み」や「苦しみ」という感覚に利用したりしているからです。それによって物理的な刺激がなくても、苦い顔をすると、それに伴う心理状態が起きるようになったというのです。身体の運動によって、脳の妙なクセが動き、心にスイッチが入るということです。理性や理屈で思考、感情をコントロールできないのは、このようなメカニズムによるものです。

■運動すると幸福感が増す
アメリカのウェイリン・チェン准教授らも、少しでもいいから体を動かすことが、心の健康に大きなプラスの効果をもたらす可能性があり、運動が直接、脳を含む体に働きかけている可能性もあるとの研究結果を発表しました。これまでの話を総合しますと、脳が体を動かしていると刷り込まれていましたが、実は脳を鍛えようとか、心を強くしようとしても、体をともなわなければ、なかなかうまくいきません。楽しく過ごしたいのなら、笑うことが先に来なくてはならないのです。「笑う門には福来る」には根拠がある、裏付けもある。今年は不安や心配の妄想を頭の中で上映する前に、とにかく笑うように心がけたいと思います。皆様、今年もよろしくお願い致します。