「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「変化 > 維持」

2017年12月1日

■変わらないものなどない
「ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず」。鴨長明の『方丈記』の冒頭にある有名な一節です。川の水の流れは絶えず続いているように見えますが、決して同じ水ではない。諸行は無常であることを表わす言葉です。無常というと、無情と勘違いしがちですが、こちらは物・事の本質であり、普遍的な真理であります。しかし、我々は変化を嫌います。今まで通りにやりたいし、今の状態が心地良ければ、このまま永遠に続いて欲しいと願ってしまいます。それは人情というものですが、実際はその時々の環境に左右され、変わらざるを得ない局面もあります。現下は、変化の激しい時代、そして大転換の時代の様相です。今回は、世界と日本の動きからこれを考察してみたいと思います。

■世界では
ものづくり大国のドイツでは、インダストリアル4.0(第四次産業革命)という大きな変化が現実化に向かっています。産業革命を振り返ると、最大の第一次は動力、第二次が電気、第三次がIT、そして第四次がIoT、ビッグデータ、ロボット、AI等による技術革新で、これまでにないスピードとインパクトで進行中です。自動車の自動運転やドローン等々の活用により、人手が少なくなったり、いらなくなったりしても、生産量が飛躍的に増え、もしくは同じ程度であれば、労働生産性はアップすることは間違いありません。より良く、より早く、より遠く、より合理的なものを目指し、人類はこのような大きな変化を繰り返してきました。現在進行中の第四次産業革命もこの同一線上にある流れなのでしょう。

■日本では
畢竟、わが国ですが、世界と同様にこの流れに乗らなければなりません。高度成長に乗り遅れた国も、この大転換期をチャンスとみる途上国はあります。自動車分野では、ハイブリッドでわが国に勝てずとも、電気自動車での大逆転を狙う某国は相当に力んでいます。このように世界での競争に勝つことは重要です。少なくとも意気込みは「二番じゃだめ」でしょう。さらに、わが国では、人口減少という客観的かつ確実な現象がありますので、何が何でも技術革新をやり遂げ競争優位を実現しなければならなりません。経済指標はすべてではないですが、今の豊かさを減らしていいとは誰も言いません。幸福度合いは数値だけでは決まりませんが、数値からの視点もまた重要なのです。

■働き方改革は意識改革
では大転換をうまく成し遂げるには何が必要でしょうか。一億総活躍国民会議の民間議員をつとめる白河桃子さんは著書やテレビで、今までの男女平等は、男に働き方を合わせた女性を対等とするものであった。これからは様々な働き方がある中での男女平等になる点が従来との最大の違いと言われています。例えば、子育ては女性が主で男性は従ではなく、共働きと同じように、共育てするように、考え方を変えることが肝要ということです。大転換のための一丁目一番地は身近にある「働き方改革」です。その本質は、企業文化、ライフスタイル、働くということに対する考え方そのものに着手することです。とはいえ、長年慣れ親しんだ考え方を変えるというのは、なかなか難しいことです。

■意識は小さな行動から変わる
そもそも、意識を変えるというのは、他人から強制されて行うものではありません。ですから、ストレスなく自然な行動を生み出すための環境を、自ら作っていけることが理想的です。個人として意識改革をしようとするとき、まずはうまくいっていない現状について客観的かつ具体的に把握をします。そしてどのような行動をとれば良くなるのかを考えて、意識ではなく行動から変革するように心がけます。そのときに、無理に大きな変化を作ろうとするのではなく、小さな改善行動を積み重ねていくのがベストです。イチロー選手が言ってるように、私たちも小さなことを積み重ねていくことによって、やがて大きな変化につなげることができると思います。ここから始まり、ここ以外からは始まりません。

■変わるには束ねる力が必須
さらに、個々人の意識改革のみならず、組織全体での意識改革も必要です。例えば会社では、一番多くかつ重要な情報を持つトップは変化に敏感なものです。トップは従業員に意識改革を求めますが、従業員は、日頃の取り組みや仕事のやり方には問題がないと考えがちなので、納得できないこともあるでしょう。人が意識改革できるのは、自分から変わろうと心から思うときだけです。従業員たちの納得感のためにトップはしっかりとその意義や方向性を伝える必要があります。そして、組織がバラバラにならないよう、従業員たちの様々な意見や要望を束ね、力強く変革を進めなければなりません。意識改革、そして働き方改革は、トップやリーダーたちの束ねる力にかかっています。