「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「自由 > 不自由」

2017年2月1日

■”自由”な姿
毎月一回、職場の皆さんとNHKの『プロフェショナル仕事の流儀』を視聴し、その後で感想を発表し合っています。今月は、雑誌『VERY』の編集長さんでした。女性ファッション雑誌の中で、同誌をナンバーワンに育てあげた凄腕の編集長ですが、職場の反応は意外にも”ふつう”の人というものでした。たしかに”スペシャル”な感じはないのですが、”ふつう”に仕事をし、”ふつう”に子育てをしているだけで、実績は”スペシャル”だなんて、とても凄い方だと思いました。この”ふつう”振りこそ、ニュートラルで、平常心で、融通無碍で、まさに”自由”な姿なのだと感じます。この”自由”な姿の源泉はどこにあるのか、考察することにしました。

■”不自由” な姿
”自由”な姿とは、松下幸之助さんの言われる『素直な心』があるということではないでしょうか。編集長の実績の源は、「素直な心というものは、自由自在に見方、考え方を変え、よりよく対処してゆくことのできる融通無碍の働きのある心である」というのが的確に当てはまります。「”自由”な姿」の反対の姿とは、心に障りのある状態、欲や欲望にとらわれた姿、素直な心がない場合と定義できそうです。ついつい無理をしてしまうことになりやすくなることにもつながり、結果として成功に結びつかないという”不自由” な姿に陥ってしまうのが、圧倒的多数の人々の現実ではないかと思います。まずは、”不自由” を脱し、”自由”な姿をめざす必要がありそうです。

■三法印
”不自由” な姿を戒めているのは、実は2千5百年も前からのことです。仏教の「三法印」がそれです。これは、三つの仏教を特徴づける真理で、一つ目が「諸行無常」です。「全てのものは変化する」という真理で、変化しなければ生きられないということです。二つ目は「諸法無我」です。「世の中の物事は全て自分の思うようにはならない」という真理で、自分のことしか考えられないと幸せになれないということです。三つ目は「涅槃寂静」です。「こころの平安が、静かな安らぎの境地に至る」という真理で、人のこころは常に平常心を欲しているということです。これらの真理を身につけることが、”不自由” からの脱出であり、人々の求め続けているこころのあり方と言えます。

■レジリエンス
メンタルヘルスの領域で注目されている「レジリエンス」という言葉があります。これは、精神的な回復力・防御力ということで、ストレスを受けた時に落ち込みやすく、立ち直りにくい人は「レジリエンスが低い」ということになります。そもそも、ストレスの原因は、様々な変化への対応ができないことにありますので、「全てのものは変化する」という「諸行無常」という真理を身につけることが最大の対策になります。こちらも現代版のトレーニングメソッドがあります。「レジリエンスを高め」られれば、ストレスを受けた時でも、こころにダメージを受けにくくなり、精神疾患に陥ることがなくなり、こころは”自由”な姿に近づくことになるでしょう。

■アンガーマネジメント
今年からマタハラ防止が法制化されたのは、ハラスメントが多いからに他なりません。これは、何かと思うようにいかずにストレスが溜まっている人が増えていて、弱いものに対して発散しているのかと推察されますが、そもそも、「思い通りにならない」ことは”ふつう”なので、イライラすることの方が”ふつう”ではありません。ここで「諸法無我」の真理を伝えるためでしょうか、これを横文字に変えた「アンガーマネジメント」という管理者向けの怒りを抑えるメソッドが登場してきました。こういう現代語訳版で「諸法無我」を身につけることは、”自由”な姿に変身する適切な一歩になりますので、好ましい傾向ではないかと思っています。

■ソリューション
番組の中での編集長は、部下からの相談に対しては、あらかじめ用意した答えを返すのではなく、対話しながら答えを導き出しているようにお見受けしました。その時々に必要な答えや解決策が中から湧いて出てくるという感じです。自分の持っている力を100%以上出しているとも言えます。つまり、「ソリューション」(解決策)を導くために最も必要な力は色々あるとは思いますが、最も求められるのは「平常心」なのだと感じました。この力を身につけるには、「涅槃寂静」の実践が必要なのでしょうが、実は、何かを求めて得られるものではなく、欲や怒りなどのストレスを放すことで得られてしまうという、「”ふつう”の追求」が早道なのだと分かりました。