社長とれんど考察

「未成功 > 失敗」

■東芝の”チャレンジ”
多くのビジネスマンは、それぞれの持ち場において目標を掲げ、その達成を目指して努力しています。そしてビジネスマンとして成功するまで達成を積重ねていこうとします。もちろん東芝の皆さんも同じでしょう。しかし、その目標の設定に問題がありました。記事によると、歴代三社長は、「チャレンジ」と称して過剰な業績改善を各事業部門に要求し、その結果として利益を水増しし、不正な会計処理を続けていました。つまり粉飾です。たった3日間で120億円の利益水増しを要求したとのことですが、明らかに正当な要求ではないので、社長が「不正を指示していない」というのは詭弁だと感じました。そこで、この事案を契機に、成功とは何かを考えてみました。

■成功するまでやる
「成功の秘訣は、成功するまで続けること」とは幸之助さんです。どんなに失敗しても、成功するまで試行錯誤を続ければ必ず最後には成功する。つまり、やめてしまうと失敗になるので、成功するまで続ければ、できていない状態は失敗ではなく、未成功ということです。ある意味、当たり前なのですが、途中で本当に続けていていいのか迷いますので、続けられるかどうかには、「続けられるスキル」というものが必要になります。確かに、成功した方々の伝記などを読むと、簡単に成功した人はいないといえます。では、「続けられるスキル」を得るにはどうすればいいのでしょうか。掘り下げて考えてみたいと思います。

■生成発展すると信じる
一つ目は「生成発展」です。成功者がへこたれないのは、自分がやろうとしていることが、世の中に受け容れられると信じているからではないでしょうか。その根底にあるのが「生成発展」です。幸之助さんは、「自然の理法の特質とはなにかと言えば、それは生成発展ということ。」「生成発展とは言い方を変えれば”日に新た”、宇宙・自然・人類すべては日に日に発展をしている。」さらに「ものごとはこの自然の理法にのっとれば、必ず成功する。成功しないのはこの自然の理法にのっとっていないからで、それは自分にとらわれたり、何かにこだわったりして、素直に自然の理法に従わないから。」まずは生成発展を信じられるかどうかです。

■無限に広がると感じる
二つ目は、宇宙観というか、世界観というか、無限に広がるような感覚を持つことだと思います。ソフトバンクの孫さんのような方を見ればよくわかると思います。幸之助さんや稲盛さんもそうでしょうが、人物に大きさを感じます。せこせこしてないといいますか、小さくないといいますか。やろうとしていることの可能性に限界がないように考えられることでしょうか。つまり、終わりがないということです。どこまでもできると感じられることほど、自分にとって心強いものはないでしょう。では、いったいこの感覚の源はどこにあるのでしょうか。ひとつには、自分の存在はちっぽけなものだと思えることではないでしょうか。自分が一番と思ってしまうと、有限の世界に止まることになりそうな気がします。

■山が高いと裾野が広がる
三つ目は、周知を集めることです。自分の存在は小さいと感じられると、成功するためには周りの人々に助けてもらう必要があります。周知を結集できれば、一人ではできない高い目標に挑戦できます。富士山の裾野をイメージすると、山(目標)が高いから裾野(周知)が広がるといえます。周知を集められるかどうかはリーダー次第です。リーダーの志、宇宙観、そして人間観が大切なのは明白です。そして、自らの虚栄心のための粉飾指示ではなく、少し高めの、力をつければ手が届くような絶妙の目標を設定し、メンバーと共有することがリーダーの力量といえるのではないでしょうか。日本電産の永守会長曰く「100の力がある者には130させないと伸びない。200やらせると危ない」。

■成功に向け常に変化する
二代将軍秀忠の苦労をテーマとした歴史番組「知恵泉」で、100年以上の歴史を持つ「たねや」の山本社長が出演されました。意外なことに、お菓子の味は常に変え続けているらしいです。その理由は、人の味覚が常に変わっているので、それに合わせていかないと、逆に味が変わったと言われてしまうからとのことでした。成功する域まで達するには、変化は不可欠です。この場合、変化とは進化と同義語です。最後に、新井満氏の「自由訳 般若心経」では、「この世に存在する形あるものすべてに、永遠不変などということはありえないのだ。すべては固定的でなく、流動的なのだ。今そこにあったとしても、またたくうちに滅び去ってしまう。・・・」と「空」を普遍的な本質と解説されています。