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「給与DXのエムザス」 給与とシステム両方を本業に約20年

社長とれんど考察

「柔軟 〉硬直」

2022年2月1日

■3年目のコロナ
一昨年から流行している新型コロナウイルスですが、3年目の今年に入ってからはオミクロン株の大流行により、過去最高の感染者数を日々更新しています。 蔓延等防止措置が発出され、人々の根源的な欲求である会食や移動の自粛が求められ、飲食店や宿泊会社などが苦境に立たされてしまいます。これまでも繰り返されてきたコロナループが再びよみがえってきたように感じます。 このような異常な環境が続くなか、一番懸念されるのが経済の動向です。古今東西、経済活動が活発にならなければ人々の暮らしが良くなることはありません。 そこで今回は、3年目を迎えるコロナ禍における企業の行動について考察して参りたいと思います。

■経済動向
コロナ禍における経済の状況は、未曾有の不景気低迷に見舞われましたが、 国の予算措置により、直接の補償や雇用対策の助成金等もあり、感染症発生当初に予想されたほどの落ち込みはなかったかもしれません。今年度においてはプラス成長を予想されており、これまでの落ち込みを挽回すべく期待度合が高まっておりました。しかし年初からのオミクロン株の発生により、再び停滞の懸念が持ち上がっております。業種や業態により温度差は大きいですが、人口が減少する我が国の経済を支える半導体やデジタル関連などは、国を挙げての盛り上がりを見せる様相です。また、飲食業や宿泊業などは一時的な落ち込みは避けられませんが、人々の本質的ニーズは必ず戻るので、その時までの辛抱が続きます。

■倒産件数
企業の調査機関によると、2021年の企業倒産件数は、前年比22%減の約6千件だったとのことです。実は2020年も前の年を下回っており、コロナ禍においては2年連続で前年より減りました。倒産は57年ぶりの低水準だったようです。コロナという未曽有の混乱のもと、倒産が減ったという現象の最大の要因は国の予算措置により、国や金融機関を通じての資金供給が相当に倒産を防いだと言われています。一部大型と言われる倒産もあったようですが、業種別にはコロナの影響を直接受けた飲食業や宿泊業は意外にも前年より数は減っています。一方飲食業や宿泊業向けの業種にも影響を受けているところがあり、テレビなどでは、巣ごもり需要の発生により宅配の件数が増えたように言っていますが、飲食業や宿泊業相手の輸送需要は低迷しており、運輸業は全産業で唯一倒産件数が増加したようです。

■継続企業
企業の倒産が減るのは悪いことではありません。 しかしもっと大切なのは、長い期間に渡って継続する企業が増えていくことです。倒産件数は減ったものの、事業の承継ができずM&Aという形で存続する企業も増えています。街中を見ていて感じるのは、小規模経営の個性的なお店が少なくなり、代わってチェーン店が増えていることです。大手企業の多角化志向もあり、中規模経営のチェーン店も大手の傘下に入ることも増えているように思います。継続企業になるためには避けて通れない方法かもしれませんが、M&A仲介会社の異常なまでの収益率の高さなどから感じるのは、どうすれば自力で生きていけるのだろうかということです。規模が大きな要素なのは間違いありませんが、規模の大小だけがすべてではないはずです。それを超える何かを模索しながら見出すことが求められているのだと思います。

■時流に乗る
最大のアドバンテージは、時流に乗ることだと思います。時流に乗ると言うと、何か流行っていることになびくような印象を持ってしまいますが、そういうものではなく、移り行く時代に適応していくということです。ブームに乗るということも必要な場合もあるでしょうが、ブームに乗って勝ちすぎると、それが終わりの始まりということもあります。勝ちすぎる前に次の時代に備えて準備しておくということができるかどうかが大切なのだと感じます。当面はハイテク化、グローバル化、少子高齢化というトレンドに乗れるかどうかがポイントになるのではないかと思っています。その中でも星の数ほど生きる道はあり、どれを選ぶのかが一番難しいことだと思います。 これは言うは易く行うは難しです。こうやればうまくいくというのは誰でも分かることですが、その道を選んで実行出来るかは誰にでもできることではありません。ここがその後直面することの分岐点になるのです。

■硬直性
人間のみならず、様々な時代を超えて生き続けているものには、柔軟性があるように想像します。人類にも柔軟性はあります。 だからこそ延命しているのだと思います。しかし分解して考えてみると、様々な見方ができると思います。他にも色んな要素があり一概に言えることではないのですけれども、滅亡した国家や企業などの組織を見てみると、変わりゆく周囲に馴染むことができず、考えや行動を変えることができなかったために終わってしまった例が少なくないように思います。 歴史上の物語において、それは美談となることも少なくありませんが、 いかに存続をするかというテーマから考えると、事をなしたとは言えないことになるでしょう。 究極には自らのプライドや感情を優先してしまい、生き延びるための妥協ができないという硬直性が最大の要因ではないかと思います。

■柔軟性
柔軟性などと言うと、非常に多くの捉え方があり、とりとめもなくなりますが、松下幸之助さん端的に表現されていました。それは「雨が降れば傘をさす」という言葉です。つまり、自然に逆らわないという考え方です。これを「天地自然の理法」と言います。雨が降ってきたら傘をさすというのは、だれでもやっているきわめて当然なことである。もしも、雨が降ってきても傘をささなければぬれてしまう。これまた当然のことである。そのように当然のことを当然にやっていくというのが、経営の神様の考え方なのです。判断を迫られた時、どちらが自然か不自然か、素直に判断できるような状態に自分を置くことが出発点になると思います。今の状況で考えるなら、デジタルを活用した経営改革であるDXに真剣に取り組めるか、柔軟に対応できるかがターニングポイントになるように感じています。